近江八幡のイタリアンレストラン
バルベッタ(Barbetta)という名のお店です。JR近江八幡駅から徒歩10分、京都に住む友人のお嬢さんご夫妻が2年ほど前に開店されました。
雨の週末、以前から友人と計画していた近江八幡散策に、イタリア人の麗しき女性、リタ・ダルカンジェロさんをお誘いしました。佐渡裕さん率いる兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の首席フルート奏者です。バルベッタでのランチが主たる目的ですが、道中、リタさんを英語でコーチングすることも実は密かなサイドメニュー。彼女のVISIONは、近い将来ソロとして世界の音楽界で活躍することだからです。
バルベッタはかの有名なお菓子屋”たねや”さんに隣接しています。同行した友人のコメントによると、「久々にプロのお料理を堪能し、大満足。気どった感じの新進イタリアンも多々ある中、とてもシェフの人柄がにじみでた、温かな、そして気持のよいお店でした!」。
ほんとうにその通りでした。私もこの年齢までそこそこレストランフリークをしてきましたが、盛りだくさんな前菜、アイディアのあるスパゲッティメニュー、美しくアレンジされた多彩なデザート、そして美味しい珈琲にいたるまで、実のあるメニュー、つまり食する側の立場にたったという表現がぴったりの、つまり心からイタリアを愛している人の作るお料理でした!
そのシェフの岡村さんは、ミラノに近いイタリア北部で、1年半、お料理の修行をされたそうです。リタさんにはイタリア語で一皿一皿、丁寧に説明されていました。私たちはその内容をリタさんにもう一度英語で説明してもらいました。そんなテーブルでの賑わいに、イタリアの小さな町にあるリストランテにいるかのような錯覚を感じながら、私たち3人は、和やかで幸せなひとときを過ごしました。
サービスをしてくださる女性はスペイン語が素晴らしくお上手で、最近スペイン語に興味がある私は一言二言スパニッシュをご愛嬌で出したりしながら、それにしても同じラテン語を母に持ちながら、スペイン語、イタリア語、フランス語はやっぱり、かなり異なる言葉だなぁと思いながら、岡村シェフの堪能なイタリア語にも耳を傾けました。ミセス岡村もお子さんの体調が悪い中を、テーブルまでご挨拶に来て下さいました。
結局、絹のような雨は降り止まず、私の関心事であったヴォーリズ建築を十分に観て歩くことは叶いませんでしたが、傘を差しながら、近江八幡市の古き良き佇まい辺りをそぞろ歩きました。八幡宮のお堀端にはあやめが美しく咲いていて、境内には古い能舞台があり、皐月の盆栽展を鑑賞しました。
また宮の近くには、たねやさんの和洋のお店があります。洋菓子を扱うクラブハリエの、よく手入れの行き届いたお庭では記念写真を。ティータイムはリタさんが喜んでくれるのではと考え、向かいにある和の茶房で過ごしました。囲炉裏端を再現したコーナーでは、リタさんはおぜんざいに初挑戦。無事に塩昆布も食し、見事なおくどさんをインテリアにした、和風の店内をエンジョイしていました。
世界各国から、厳しいオーディションで選ばれたプロのアーティストが集る楽団、PACとの契約条件は、年間120ステージもの演奏をこなすことだそうです。プラクティス、プラクティスの毎日、来日1年足らずですが、いまだに奈良以外はどこへも出向いたことがないほどのハードな日々を過ごしているのだとか。
そんな忙中閑のひととき、近江八幡への小旅行は故郷への思いを馳せることのできる、リフレッシュな時間になったことと思います。
バルベッタさん、イタリアンな時間をありがとうございました!
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