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1・17へのお便りを受けて~

roseさんありがとうございました。あれから20年以上の歳月が過ぎ去ったなんてとても信じられないでいます。あの震災の日々は、今でも私の感情の中で薄れることなく、ずっと目の前に在り続けるからです。

アマラント・レターの編集をしなければいけなかった私は、まずはなによりもワープロを抱きかかえて、住まいを北千里に移しました。身近な親類縁者がほぼ被災地に住まっていたからです。なによりも年老いた父を数ヶ月も入浴させないわけにもいかなかったからです。

150平米はある豪華マンション(阪神間の人たちが大阪の居室を借りるとき、理不尽にも高い家賃の物件しかありませんでした。なんとアルベリーさんの御両親は数か月もホテル住まいでした!)の1室の端っこの段ボールの上にワープロを置いて、作業をしました。

広~いリビングの傍らには、柴犬の君太が声を潜めて暮らしました。お散歩のときにはスキー用のバッグに入れられて、そっとそのマンションを抜け出しました。車ひとつで武庫川を渡った大阪はまるで別天地。その道中には倒壊した家屋から運ばれた、主を失くした無残な残骸が高い山を形成していました。その光景は今でも目に焼き付いています。

2対の布団と最低限の台所用品以外は家財道具も何もなく、徐々に大阪界隈に住む友人たちが、洗濯機や冷蔵庫や照明器具などを運び込んでくれました。これでも戦後生まれになる私にとって、初めてのサバイバル生活です。このときほど、人の優しさや繋がりの大切さが身に染みたことはありません。その時に届けて下さった物資に入っていたお手紙は生涯の宝物です。

そのサバイバル暮らしが板についてきたころ、娘たちは西宮市の福祉協会に属して、被災地にそのまま留まるしか術のない、ご高齢の方々のためのボランティア活動を始めました。自転車で数リットルの水を運ぶ作業です。次いで私は神戸方面にできた仮設住宅へ通い、被災した独り暮らしの高齢者宅を訪ねるリスニングボランティアをスタートさせました。このことは後のコーチングへと繋がるきっかけとなりました。

ライフラインが復旧するまで、住居こそ移してはいたものの、家族の誰も怪我も無く、無事であったことを感謝しながらの日々でした。そして多くの人たちと共に行動し、密に人間関係が繋がった体験でした。

ボランティア活動の帰路、初めて点灯されたルミナリエは忘れ得ぬ光景でした。その荘厳な美しさに息を呑むと共に、犠牲になった方々の多さに胸がつまる思いでした。そのころ両親を亡くした学齢に達しない孫を引き取る、祖父母のニュースが多々聞こえてきました。私が今から孫を育てなければならないと思うと、それは相当な覚悟が必要でしょう。その時の子供たちも今ではさぞ立派な成人になっているであろうと、そして当時すでに70歳くらいだった祖父母はご存命であろうかと、様々に思いを馳せる23年の歳月となりました。

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コメント

しゅかさん、大変な思いをなさったのですね。

傾聴ボランティアを経て、コーチングの勉強をなさったとお聞きしたことがあります。

そして、今でもよく覚えていることが、ほうれん草のおひたしをすぐ食べられるように送ってくれた人への感謝と水一滴のありがたさを確かおっしゃっていました。

しゅかさんからは「真摯に耳を傾けることの大切さ」を学びました。

いつだったかしゅかさんに言ったと思いますが、私の大好きな作家「遠藤周作さん」が「ボランティア、ボランティアと言いますが、じっくり人の話を聞くっていうことが大切なことだと思うんです・・・」

ネットの世界が普及して、コミュニケーション力が衰えているのではないでしょうか。すぐに切れてしまう。奇妙な事件もネットのせいもあるのではないかと思っています。

情報過多、物が豊かなのに、心のさびしい人が多い現代社会、どんなにAIの技術が発達しても、やはり人とのぬくもりのあるつながりは大切にしたいな。と思う今日この頃です。

東日本大震災の時、私は南京にいましたので、映像だけしか見ていません。
近くに、今尚、原発近くの場所に行き、保護ネコ活動をしている人がいます。

一瞬にして、今までの生活が一変してしまう「天災」、そして「人災」も加わるときもありますね。

1月17日、3月11日、忘れてはならない日ですね。

投稿: rose | 2018年1月20日 (土) 22時50分


2つの大きな震災の間にも水害や台風の惨禍など、
日本は自然災害が多いですね。
今朝のTVで、国防費は戦闘のためのものだけではない。      これらの災害から国民を護るための費用も
もっと計上されるべきだと、姜尚中さんが語っていました。

投稿: しゅか | 2018年1月21日 (日) 12時53分

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