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パトリシア・ハイスミス

いま生存していれば100歳くらいだろうか!?アメリカの女流作家だ。あのアラン・ドロンが演じた「太陽がいっぱい」の原作者といえば、そうなんだ!と思う人もいるにちがいない。

この作家の作品を教えてくれた先輩がいた。現役時代は飛ぶ鳥を落とす勢いのあるライターだった。彼女と出会ったのは30代の初めの頃だった。様々な新聞の企画やコマーシャルのプランニングを共にしたが、子育て真っ只中でもあった私は、スペインやジャマイカでヴァカンスを過ごす彼女とその仲間たちの、独身貴族ならではの豪勢な遊びかたを、眩しく眺めていた。

阪神大震災のあとくらいから、いつの間にか縁が遠のき、この数年無性に懐かしく思い出されることが多くなっていた。そんな矢先に共通の友人から、既に2年前に急逝されていたことが知らされたのだ。

なぜ、旧交を温める機会がなかったのか、訃報に胸が締め付けられた。そして書架から古びた文庫本を探し当てた。パトリシア・ハイスミスの作品だ。数冊を一気に読んだ。行間から彼女との語らいの破片が幾重にも零れ落ち、過ぎ去った時間の密度が一気に蘇った。

9月に3回忌の法要が営まれるという。当時のライター仲間が数十年ぶりに集まりそうだ。最近、人生の大きな時間の流れが、扇子のように折りたたまれていくのを感じている。

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